🍶【完党保存版】日本酒ができるたで原料・麹・酒母・䞊行耇発酵・補造工皋を培底解説

日本酒はどのように造られおいるのか
この疑問は倚くの人が怜玢するテヌマですが、実は日本酒の補造工皋は䞖界でも非垞に珍しい
「䞊行耇発酵」ずいう高床な仕組みに支えられおいたす。

本蚘事では、日本酒の原料米・米麹・氎・酵母から
粟米→麹→酒母→もろみ→搟り→火入れに至るたでの党工皋を
専門的か぀わかりやすく解説したす。

初心者はもちろん、深く知りたい方にも圹立぀ å®Œå…šä¿å­˜ç‰ˆã‚¬ã‚€ãƒ‰ ã§ã™

🍶 日本酒ずは定矩ず分類

日本酒は、その起源や補法においお、䞖界でも非垞にナニヌクなお酒です。

定矩

日本酒枅酒は、酒皎法においお以䞋の芁件を満たすものず定矩されおいたす。

  • 原料: ç±³ã€ç±³éº¹ã€æ°Žã‚’原料ずしお発酵させたもの。
  • 工皋: ãã‚Œã‚’こしたろ過したもの。
  • アルコヌル床数: ã‚¢ãƒ«ã‚³ãƒŒãƒ«åˆ†ãŒ22床未満であるこず。

さらに地理的衚瀺における「日本酒」の定矩では
原料米に囜内産米のみを䜿い、か぀、日本囜内で補造された枅酒を指したす。

䞖界に類を芋ない「䞊行耇発酵」

日本酒造りの最倧の特城は、「䞊行耇発酵ぞいこうふくはっこう」ずいう醞造方法です。

  • ブドり酒ワむン: ぶどうの糖分を酵母がアルコヌルに倉える単発酵。
  • ビヌル: デンプンを糖化する工皋ず、酵母が糖をアルコヌルに倉える発酵工皋を別々に行う単行耇発酵。
  • 日本酒: ã‚¿ãƒ³ã‚¯ã®äž­ã§ã€ã€Œéº¹ã«ã‚ˆã‚‹ç±³ã®ãƒ‡ãƒ³ãƒ—ンの糖化」ず「酵母による糖のアルコヌル発酵」を同時に䞊行しお行いたす。

この高床な技術により、䞖界の醞造酒の䞭でも特に高いアルコヌル床数原酒で玄17〜20床を実珟できるのです。


🌟 日本酒の䞻な原料

日本酒の基本的な原料は「米・米麹・氎」の䞉぀です。

材料圹割特城
ç±³ (酒米)アルコヌルの元ずなるデンプン源普段食べる飯米ずは異なり、デンプンが集たった「心癜しんぱく」が倧きい「酒造奜適米」が䜿われるこずが倚い。
米麹 (こうじ)デンプンを糖に倉える酵玠の補造元蒞米に麹菌䞻に黄麹菌を繁殖させたもの。日本酒造りの芁で、「䞀麹いちこうじ」ず蚀われるほど重芁。
氎仕蟌み、掗米、蒞米など党工皋で䜿甚銘柄の個性や味わいを巊右する重芁な芁玠。硬床ミネラル分によっお、できあがる酒質が倉化する。
酵母 (枅酒酵母)糖をアルコヌルに倉える埮生物日本酒専甚の酵母が䜿われる。フルヌティヌな銙りを生み出すもの、味のバランスが良いものなど、倚様な皮類がある。
醞造アルコヌル特定名称酒の䞀郚に䜿甚醪もろみの最終段階で添加される。銙りを匕き出し、味わいをすっきりずさせる圹割がある。

🛠 日本酒の補造工皋ステップず確認ポむント

日本酒造りは、䞀般的に「䞀麹、二酛もず、䞉造りもろみ」
ずいう蚀葉で、麹、酒母、もろみの重芁性が瀺されたす。

補造工皋を順を远っおご説明したす。ステップが耇数に分かれるずころでは
終わった段階でどんな状態になるかを確認させおいただきたすね。

ステップ1: 原料凊理粟米・掗米・浞挬・蒞米

粟米せいたい

  • 操䜜: çŽ„ç±³ã®å€–åŽïŒˆã‚¿ãƒ³ãƒ‘ã‚¯è³ªã€è„‚è³ªãŒå€šã„ïŒ‰ã‚’å‰Šã‚Š
    酒造りに適したデンプン質の䞭心郚分を残したす。
  • 確認ポむント: **粟米歩合せいたいぶあい**ずいう数倀で瀺され
    「削った埌の残った米の割合」を衚したす。䟋えば、粟米歩合60%は
    米の40%を削ったこずを意味したす。この数倀が䜎いほど
    たくさん削るほど雑味が少なく、吟醞酒などに䜿われたす。
  • → 粟米が終わるず、米粒はどんな芋た目になりたすか飯米ずの違いは

   粟米が終わるず、米粒は食甚米よりも遥かに削られ、癜く小さく、
   䞞みを垯びた状態になりたす。特に、デンプン質の䞭心郚にある**心癜しんぱく**
   ずいう癜い䞍透明な郚分がよく芋えるようになりたす。
   食甚米が10%皋床しか削らないのに察し、吟醞酒などでは
   米の半分以䞊を削り萜ずすため、芋た目も倧きく倉わりたす。

この粟米された米は、掗米、浞挬、蒞米の工皋を経お、
いよいよ日本酒造りの芁ずなるステップに入りたす。

掗米・浞挬せんたい・しんせき

  • 操䜜: å‰Šã£ãŸç±³ïŒˆç™œç±³ïŒ‰ã®è¡šé¢ã«æ®‹ã£ãŸç³ ïŒˆã¬ã‹ïŒ‰ã‚’掗い萜ずし
    目的の吞氎率になるよう氎に浞けたす。
  • ポむント: åžæ°Žæ™‚間は、粟米歩合、米の状態、
    気枩などによっお、秒単䜍で厳密に管理されたす。

蒞米むしたい

  • 操䜜: æµžæŒ¬ã—た米を蒞したす。炊くのではなく蒞すこずで
    麹菌が繁殖しやすい衚面が硬く、䞭心が柔らかい
    「倖硬内軟がいこうないなん」の状態になりたす。
  • ポむント: è’žç±³ã¯ã€ã“の埌の
    「麹造り」「酒母造り」「もろみ造り」の党おに䜿われる重芁な材料です。

ステップ2: 麹造りせいぎく

補麹

  • 操䜜: è’žç±³ã®äž€éƒšã‚’「麹宀こうじむろ」ず呌ばれる高枩倚湿の
    郚屋に運び入れ、米の衚面に麹菌の胞子を振りかけお繁殖させたす。
  • 圹割: éº¹èŒãŒåˆ†æ³Œã™ã‚‹é…µçŽ ãŒã€ç±³ã®ãƒ‡ãƒ³ãƒ—ãƒ³ã‚’ãƒ–ãƒ‰ã‚Šç³–ã«å€‰ãˆã‚‹
    糖化圹割を担いたす。
  • → 補麹が終わるず、蒞米はどんな颚に倉化したすか觊った感じや芋た目の倉化は
  • 操䜜: è’žç±³ã®äž€éƒšã‚’「麹宀こうじむろ」ずいう枩かい郚屋に運び入れ、黄麹菌ずいう麹菌の胞子を振りかけたす。
  • 圹割: éº¹èŒãŒç±³ã®ãƒ‡ãƒ³ãƒ—ンをブドり糖に倉える**酵玠こうそ**を生成し、この埌の発酵の準備をしたす。
  • 䜜業の完了: çŽ„48時間かけお麹菌を繁殖させ、米党䜓に菌糞が行き枡るず「米麹」の完成です。

ステップ3: 酒母しゅが・酛/もず造り

酒母酛造り

  • 操䜜: è’žç±³ã€éº¹ã€æ°Žã«ã€ã‚¢ãƒ«ã‚³ãƒŒãƒ«ç™ºé…µã‚’担う枅酒酵母を加え
    集䞭的に培逊したす。

    酒母は文字通り「酒の母」であり、この埌のメむンの発酵を担う
    倧量で健党な枅酒酵母を培逊する工皋です。日本酒のアルコヌルず銙りの元ず
    なる酵母を、雑菌に負けないようしっかり育おる、非垞にデリケヌトで重芁な䜜業です。

    3.1 酒母の材料ず圹割
  • 材料: è’žç±³ã€ç±³éº¹ã€æ°Žã€ãã—お枅酒酵母を小さなタンクに仕蟌みたす。
  • 圹割: ã“の小さな仕蟌みの䞭で、酵母を玔粋な状態で倧量に増殖させたす。
  • 3.2 酒母の補法による違い酒質の個性
  • この酵母を培逊する際の環境の䜜り方によっお、日本酒の味わいの個性が倧きく分かれた

酵母には蔵独自のものず協䌚酵母が存圚する

協䌚番号䞻な通称特城
きょうかい6号6号酵母ろくごう最も歎史が叀い。味わい深く、バランスが取れた酒質。銙りは穏やか。
きょうかい7号7号酵母ななごう最も普及しおいる。発酵力が匷く、安定した酒質。吟醞銙は控えめ。
きょうかい9号9号酵母きゅうごう吟醞酒の定番。吟醞銙リンゎ、バナナのような銙りが高く、味のバランスも良い。
きょうかい14号14号酵母じゅうよんごう酞味が少なく、たろやかで柔らかな酒質。
きょうかい1801号1801号いちはちぜろいち超吟醞銙。9号よりもさらに華やかで、カプロン酞゚チルずいうフルヌティヌな銙りを非垞に倚く出す。珟代の吟醞酒・倧吟醞酒で最も人気が高い。

🍶 日本酒の「酛もず」の補法比范

酒母酛の䜜り方で、日本酒の味わいは倧きく倉わりたす。最も䞀般的な「速醞酛」ず、䌝統補法である「生酛」「山廃酛」の違いは以䞋の通りです。

酛の皮類補法の特城補造期間目安味わいの傟向
速醞酛そくじょうもず最も䞀般的。仕蟌みの際に乳酞を添加し、タンク内を酞性にするこずで雑菌の繁殖を抑え、酵母だけを短期で培逊する。玄2週間クセが少なく、クリアで安定した酒質。珟代の日本酒の䞻流。
生酛きもず䌝統補法。乳酞を添加せず、空気䞭の乳酞菌を呌び蟌み、自然に乳酞を造らせる。蔵人が米をすり朰す「山卞やたおろし」ずいう䜜業を行う。玄1ヶ月耇雑で力匷く、旚味の深い味わい。どっしりずした䌝統的な颚味。
山廃酛やたはいもず生酛の掟生。生酛から「山卞」の䜜業を廃止やめた補法。蔵の力で乳酞菌を呌び蟌む点や期間は生酛ず同じ。玄1ヶ月生酛に䌌た力匷さがあり぀぀、よりたろやかで奥行きのある味わい。耇雑な酞味も特城。

🏔 山卞やたおろしずは

山卞ずは、酒母を仕蟌む際に、蔵人が櫂かいず呌ばれる長い棒を䜿い、蒞米ず米麹をタンクの䞭で力を蟌めおすり朰す䜜業のこずです。

目的

山卞を行う最倧の目的は、米のデンプン質を溶かしお、麹菌の酵玠が働きやすい状態にするこずです。

  • 生酛造りでは、乳酞を添加せず、自然の乳酞菌の力を借りお酞味乳酞を造りたす。
  • この自然の乳酞菌が繁殖する前に、酵母が掻動するための栄逊源糖分を玠早く甚意し、酵母ず乳酞菌が高密床に共存できる環境を敎える必芁がありたした。

䜜業の負担

この䜜業は、非垞に重劎働で䜓力が必芁でした。

  • 冷え蟌む酒蔵の䞭で、米ず氎が混ざった重いものを、䜕時間もかけお櫂で朰し続ける必芁がありたす。

「山廃」ずの関係

この重劎働を「山卞し」ず蚀いたしたが、埌に、この䜜業を行わなくおも
枩床管理などを工倫すれば、米が自然に溶けお同様の効果が埗られるこず
が発芋されたした。

  • 山卞しを廃止やめた補法が「山廃やたはい酛」ず名付けられたした。
  • 珟圚では、山卞は行わずずも、生酛らしい力匷い味わいを出すこずができるため
    「生酛」も「山廃」も、この工皋は省略されるこずが倚いですが
    䞀郚の蔵ではあえお䌝統の山卞を続けおいたす。

山卞は、蔵人の䜓力ず手間が凝瞮された、たさに䌝統的な日本酒造りの象城的な䜜業ず蚀えたす。

ポむント: ã“の酒母造りの方法によっお、酒質が倉わりたす。

  • 速醞系: ä¹³é…žã‚’最初から添加し、短期間で酵母を
    培逊する珟代の䞻流な方法。
  • 生酛きもず系・山廃やたはい系: è‡ªç„¶ã®ä¹³é…žèŒã®åŠ›ã‚’
    借りお乳酞を生成させ、時間をかけお酵母を培逊する䌝統的な方法。
  • 酒母造りの完了状態の確認
  • これらの方法で玄2週間1ヶ月かけお酵母を培逊し、酒母が完成したす。
  • → 酒母造りが完了するず、小さなタンクの䞭の液䜓はどのような状態
    芋た目、感觊、たたは圹割になりたすか
  • ここがどんな状態になるか確認しお、いよいよメむンの発酵工皋である「もろみ造り」に進みたしょう。

ステップ4: もろみ造り段仕蟌み

段仕蟌み

  • 操䜜: ã‚¿ãƒ³ã‚¯ã«é…’母、麹、蒞米、氎を加え、発酵させたす。
    䞀床に党お入れるず雑菌が繁殖しやすいため
    初添は぀ぞえ、仲添なかぞえ、留添ずめぞえの
    䞉段階に分けお投入する独特の方法です。
段階日皋投入量目的
初添は぀ぞえ1日目酒母の玄2倍の麹・米・氎を投入。もろみの基盀を䜜り、酵母をゆっくりず増殖させる。
螊りおどり2日目仕蟌みを䌑みたす。酵母を優勢な状態にし、アルコヌル発酵を安定させる準備期間。
仲添なかぞえ3日目初添の玄2倍の麹・米・氎を投入。酵母の掻発な掻動を促す。
留添ずめぞえ4日目仲添ず同等か倚めの麹・米・氎を投入。最終的なもろみの量ず成分を決定する。
  • ポむント: ã“こで「䞊行耇発酵」が行われたす。玄20〜40日かけお
    麹が米を糖化し、酵母が糖をアルコヌルに倉えおいきたす。
    この発酵䞭の液䜓が「もろみ」です。
  • 䞊行耇発酵の進行
  • 段仕蟌み埌、タンクの䞭では、以䞋の2぀の化孊反応が同時に、䞊行しお進みたす。
  • 糖化: ç±³éº¹ã®é…µçŽ ãŒã€è’žç±³ã®ãƒ‡ãƒ³ãƒ—ãƒ³ã‚’ãƒ–ãƒ‰ã‚Šç³–ã«å€‰ãˆã‚‹
    。
  • アルコヌル発酵: æž…酒酵母が、そのブドり糖を食べおアルコヌルず炭酞ガスを生成する。
  • この2぀の䜜甚がバランスを取りながら玄20日〜40日間続きたす。
    この期間、蔵人はもろみの枩床を现かく管理するこずで、
    日本酒床甘蟛床や酞床濃厚さを調敎し、目指す酒質ぞず導いおいきたす。
  • もろみ造りの完了状態の確認
  • もろみの発酵が完了するず、発酵が止たり、もろみが静かになりたす。
  • この状態を確認しお、最終工皋の「搟り䞊槜」に進みたしょう。

もろみ造りの完了状態おさらい

もろみ造りが完了し、発酵が終わった状態のもろみは、芋た目では
激しい泡立ちが収たり、静かな状態になりたす。液䜓䞭の成分ずしおは
アルコヌル床数が最倧17〜20床皋床に達し
糖分やアミノ酞などの成分が安定した状態になりたす。

これで「もろみ」から「枅酒日本酒」を取り出す準備が敎いたす。

ステップ5: 搟り䞊槜ず仕䞊げ

䞊槜じょうそう

  • 䞊槜じょうそう搟り

    操䜜: ç™ºé…µã‚’終えたもろみを、**酒液䜓ず酒粕固圢分**に
    分離したす。この操䜜を「䞊槜じょうそう」ず呌びたす。

    方法:
    ダブタ自動圧搟機: æœ€ã‚‚䞀般的な方法で、アコヌディオン状の機械で
    加圧しお絞りたす。

    袋吊り: ã‚‚ろみを袋に入れ、圧力をかけずに自然に滎り萜ちる雫を集める方法。
    手間がかかる分、最もクリアで雑味のない酒雫酒が取れたす。


  • 結果の状態: çµžã‚‰ã‚ŒãŸã°ã‹ã‚Šã®é…’は「原酒げんしゅ」ず呌ばれたす。

    操䜜: åŽŸé…’ã‚’äœŽæž©ã§åŠ ç†±å‡Šç†ïŒˆäž€èˆ¬çš„ã«60〜65℃した

火入れ・貯蔵・割氎

圹割: æ—¥æœ¬é…’の品質を劣化させる火萜ち菌ずいう乳酞菌を殺菌し
酒に含たれる酵玠の働きを止めるこずで、酒質を安定させたす。

操䜜:

火入れ: é…µçŽ ã‚„ç«èœã¡èŒã®åƒãã‚’æ­¢ã‚ã‚‹ãŸã‚ã€
䜎枩で加熱凊理を行いたす生酒は火入れをしない。

皮類:

生酒なたざけ: äž€åºŠã‚‚火入れをしない。フレッシュな味わい。
生貯蔵酒: è²¯è”µå‰ã«ç«å…¥ã‚Œã›ãšã€ç“¶è©°ã‚å‰ã«äž€åºŠã ã‘火入れをする。
本貯蔵酒: è²¯è”µå‰ãšç“¶è©°ã‚ã®å‰ã€äºŒå›žç«å…¥ã‚Œã‚’する最も䞀般的。

5.3 貯蔵・割氎わりみず

貯蔵: ç«å…¥ã‚Œã‚’した埌、数ヶ月から数幎タンクで熟成させ
酒質をより安定させたす。

割氎: åŽŸé…’ã®ã‚¢ãƒ«ã‚³ãƒŒãƒ«åºŠæ•°ã¯é«˜ã„ïŒˆçŽ„17〜20床ため
飲みやすい床数玄15〜16床に調敎するために氎を加えたす。
これが䞀般的に垂販されおいる日本酒の床数です。

※割氎をしないものを「原酒」ずしお出荷する堎合もありたす。


搟り・仕䞊げの完了状態の確認

これらの工皋を経お、酒造りは完了し、日本酒ずしお補品化された

火入れ前生酒ず火入れ埌火入れ酒の違い

火入れ前の酒を「生酒なたざけ」ず呌び、火入れ埌の酒を「火入れ酒」たたは単に「枅酒」ず呌びたす。

特城火入れ前生酒なたざけ火入れ埌火入れ酒ひいれざけ
火入れの有無なし䞀床も加熱凊理をしおいないあり貯蔵前、たたは瓶詰め前に加熱凊理をしおいる
口圓たりフレッシュで軜快。埮量の炭酞ガスが残っおいる堎合があり、ピチピチずした瑞々しい口圓たり。滑らかでたろやか。カドが取れた、萜ち着いた舌觊り。
味わい若々しく、生のたたの力匷い颚味。酵母や酵玠が生きおいるたたは掻発だったため、耇雑で荒々しい䞀面も持぀。安定し、熟成による萜ち着いた旚味。バランスが取れおいお、雑味が少ない。
銙り華やかで、生のリンゎやメロンのような瑞々しい吟醞銙が際立぀こずが倚い。萜ち着いた、熟成による芳醇な銙りに倉化する銙りの成分が安定するため。
貯蔵性䜎い火萜ち菌や酵玠の働きにより、倉質しやすい。芁冷蔵。高い火萜ち菌や酵玠の掻動が止たるため、品質が安定する。

🔥 味の倉化のメカニズム

火入れによっお味や口圓たりが倉わるのは、䞻に以䞋の二぀の芁因が取り陀かれるためです。

日本酒の貯蔵䞭に繁殖し、酒を癜く濁らせたり、異臭を発生させたりする「火萜ち菌」
ずいう菌がいたす。火入れは、この菌を殺菌し、酒の倉質を防ぐ圹割を果たしたす。

酵玠の掻動の停止:

もろみの䞭には、デンプンを糖に倉える酵玠などが残っおいたす。火入れをしないず
これらの酵玠が貯蔵䞭も掻動し続け、酒の味が倉化劣化しおしたうこずがありたす。
火入れで酵玠を停止させるこずで、酒質を安定させ、味の経幎倉化を防ぎたす。

火萜ち菌の死滅:

皮類分け特定名称酒

特定名称酒ずくおいめいしょうしゅずは、原料や粟米歩合などの特定条件を満たした、品質衚瀺基準が定められおいる日本酒のこずです。

特定名称原料粟米歩合特城
玔米倧吟醞酒米・米麹・氎50%以䞋華やかな銙り、繊现な味わい。
倧吟醞酒米・米麹・氎 + 醞造アルコヌル50%以䞋華やかな銙り。
玔米吟醞酒米・米麹・氎60%以䞋吟醞銙フルヌティヌな銙りが特城。
吟醞酒米・米麹・氎 + 醞造アルコヌル60%以䞋吟醞銙が特城。
特別玔米酒米・米麹・氎60%以䞋、たたは特別な補法玔米酒の䞭でも特別な補法・品質のもの。
玔米酒米・米麹・氎芏定なしお米本来の旚味やコク。醞造アルコヌル無添加。
特別本醞造酒米・米麹・氎 + 醞造アルコヌル70%以䞋、たたは特別な補法本醞造酒の䞭でも特別な補法・品質のもの。
本醞造酒米・米麹・氎 + 醞造アルコヌル70%以䞋すっきりずしお飲みやすい。

📅 日本酒の補造期間

酵母酒母を造り始めおから、枅酒ずしお瓶詰めされるたでの期間は、目指す酒質や季節、補法によっお異なりたすが、䞀般的な目安は2.5〜3ヶ月皋床です。

工皋期間の目安完了時の状態
酒母造り酵母育成玄2週間〜1ヶ月健党な酵母が倧量に増殖した液䜓が完成
もろみ造り䞻発酵玄20日〜40日アルコヌル床数が䞊がり、糖分が枛ったもろみが完成
䞊槜・濟過数日原酒が絞り出される
火入れ・貯蔵・割氎数週間〜数ヶ月酒質を安定させ、飲みやすい床数に調敎
【合蚈】玄2.5ヶ月〜3ヶ月貯蔵期間は陀く

ポむント:

  • 特に䜎枩でゆっくり発酵させる吟醞酒などは、もろみ期間を長く取るため、党䜓の期間も長くなりたす。
  • 䞊蚘の期間は、酒質を安定させるための最䜎限の貯蔵期間を含みたす。長期熟成酒の堎合は、ここからさらに数幎単䜍で貯蔵されたす。

🚫 日本酒が腐らない理由腐敗を防ぐ芁因

日本酒枅酒が腐敗せずに長期保存できるのは、䞻に以䞋の䞉぀の芁因が耇雑に䜜甚しおいるためです。

1. アルコヌルによる殺菌䜜甚

最も倧きな芁因は、アルコヌルそのものです。

  • 日本酒のアルコヌル床数は通垞15〜16床原酒は17〜20床です。
  • このアルコヌル濃床は、䞀般的な食品を腐敗させる
    雑菌や埮生物のほずんどが掻動できない環境です。
    これこそが、埮生物の掻動で造られた酒が、その埌の
    埮生物の掻動を抑制する、ずいう面癜い仕組みです。

2. 火入れ䜎枩殺菌

腐敗の原因ずなる埮生物を熱で殺菌しおいるためです。

  • 前述の通り、日本酒には「火萜ち菌」ずいう
    アルコヌル濃床が高くおも生き残っお酒を
    劣化させる乳酞菌が存圚したす。
  • 火入れ䜎枩殺菌は、この火萜ち菌やその他の有害な埮生物を死滅させ
    貯蔵・流通䞭の品質倉化を防ぐ決定的な圹割を果たしたす。

3. pH倀酞性床

日本酒は、醞造過皋でできる乳酞やコハク酞などの有機酞により
pH倀が䜎い匱酞性**です。

  • 酒母造りの際に、意図的に乳酞菌の力や添加によっお酞性の環境を䜜るのは、
    雑菌が繁殖しにくい環境を䜜るためでした。
  • この酞性の環境が、アルコヌルの殺菌䜜甚ず盞たっお
    腐敗の原因ずなる埮生物の増殖を抑制したす。

ただし、火入れをしおいない生酒は、これらの芁因があっおも
酵玠や埮生物が埮量に掻動しおいるため、冷蔵保存芁冷蔵が
必須であり、火入れ酒よりも長期保存には向きたせん

米を蒞し氎ず混ぜ長期間攟眮するのになぜ腐らない

🍚 蒞米が腐敗しないための「䞉぀の防埡壁」

1. 最初の防埡壁酒母酛の「酞」

最も初期の段階で、腐敗菌の䟵入を蚱さないための決定的な防埡壁が、**酒母しゅが**の工皋で生成される「乳酞にゅうさん」です。

  • 雑菌は酞性が苊手: äž€èˆ¬çš„な腐敗菌は、酞性の環境では生きられたせん。
  • 酒母は高酞性: é…’母を造る段階で、以䞋の方法で匷制的に液䜓を酞性にしたす。
    • 速醞酛の堎合: æœ€åˆã‹ã‚‰å€§é‡ã®ä¹³é…žã‚’添加したす。
    • 生酛・山廃酛の堎合: è”µã«ã„る倩然の乳酞菌を呌び蟌み、乳酞を生成させたす。

もろみ造りは、この雑菌が䜏めない匷い酞性の酒母をベヌスにスタヌトするため、米が腐敗する隙がありたせん。

2. 第二の防埡壁麹による「速やかな糖化」

腐敗は、埮生物がデンプンを分解するよりも早く、他の有害な埮生物が繁殖するこずで起こりたす。日本酒は、この繁殖のスピヌドに打ち勝ちたす。

  • 麹菌の仕事: éº¹èŒãŒç”Ÿæˆã™ã‚‹é…µçŽ ã¯éžåžžã«åŒ·åŠ›ã§ã€è’žç±³ã®ãƒ‡ãƒ³ãƒ—ãƒ³ã‚’éžåžžã«é€Ÿã„ã‚¹ãƒ”ãƒŒãƒ‰ã§ãƒ–ãƒ‰ã‚Šç³–ã«å€‰ãˆãŸã™ã€‚
  • 酵母の仕事: ã“のブドり糖を、酵母がこれたた速いスピヌドでアルコヌルに倉えおいきたす。

぀たり、腐敗菌が米を䜿っお掻動し始めるよりも、麹ず酵母が先に米の成分を取り蟌み、アルコヌルずいう毒性の物質に倉えおしたうため、腐る暇がないのです。

3. 第䞉の防埡壁アルコヌル濃床の䞊昇

もろみ造りが進むに぀れお、アルコヌル濃床がどんどん高くなりたす。

  • 濃床の壁: æœ€çµ‚的にアルコヌル濃床は17〜20%に達したす。
  • この高濃床のアルコヌル自䜓が、腐敗菌の掻動を完党に
    停止させる匷力な殺菌剀ずしお働きたす。

このように、日本酒造りは「酞」で始たり、「スピヌド」で雑菌の繁殖を蚱さず
「アルコヌル」で終わる、非垞に緻密な防埡システムによっお成り立っおいたす

糖化したものが腐らないっおこず

1. 糖化された「ブドり糖」自䜓は腐敗の原因になる

実は、デンプンが分解されおできたブドり糖砂糖ず同じ単糖類は、
腐敗菌やカビなど、様々な埮生物にずっお最高の栄逊源です。

䟋えば、ゞュヌスや果物が腐敗発酵ではなく腐敗するのは
そこに含たれる糖分を様々な埮生物が利甚しおしたうからです。

2. 日本酒が腐らない理由バトンタッチの速さ

日本酒造りが優れおいるのは、この「最高の栄逊源」であるブドり糖を
腐敗菌に枡すこずなく、酵母が瞬時に暪取りする仕組みができおいるからです。

もろみタンクの䞭では、以䞋の぀の反応が䞊行しお、連続的に行われおいたす。

反応䞻圹圹割
糖化米麹酵玠米デンプン → ãƒ–ドり糖
アルコヌル発酵枅酒酵母ブドり糖 â†’ アルコヌル  炭酞ガス

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🔑 成功の鍵「䞊行耇発酵」のバランス

  1. 米麹がデンプンをブドり糖に倉える。
  2. **その瞬間、**酵母がブドり糖を捕たえおアルコヌルに倉えおしたう。

このサむクルが高速で回転し続けるため、ブドり糖がタンクの䞭に倧量に貯たり
腐敗菌が䜿える状態になる前に、すべおアルコヌルずいう「腐敗菌にずっおの毒」
に倉換されおしたうのです。

もし、糖化のスピヌドよりもアルコヌル発酵のスピヌドが遅くなるず
糖分が溜たりすぎお雑菌が繁殖しやすくなり、酒造りは倱敗しおしたいたす。

したがっお、「糖化したものが腐らない」のではなく
「糖化によっお生じた糖分を、酵敗が腐敗菌よりも速く
アルコヌルずいう殺菌物質に倉えおしたう」**こずが、腐敗を防ぐ真の理由ずなりたす。

酵母は毎回買うたたは䜜るの

🍇 ワむンず日本酒の酵母の違い

1. 日本酒枅酒酵母の堎合䞻に賌入・培逊

倚くの酒蔵では、酵母を毎幎、倖郚から賌入たたは分譲を受けお䜿甚しおいたす。

  • 賌入協䌚酵母:
    • 前述の「協䌚酵母」きょうかい6号、9号、1801号などは、
      酒類総合研究所から玔粋な培逊株フリヌズドラむや斜面培逊の状態ずしお分譲されたす。
    • 蔵元は、䜿甚したい銘柄や目指す酒質に合わせお、この酵母を賌入し、
      酒母タンクで倧量に培逊しおから䜿甚したす。
    • 目的: ã“れにより、毎幎同じ酵母を䜿い、酒質を安定させるこずができたす。
  • 自瀟酵母自家採取:
    • 䞀郚の蔵では、自瀟の酒蔵から優良な酵母を分離・培逊したり、
      地域の倧孊や詊隓堎ず協力しお開発した**「自瀟酵母」**を䜿甚したりしたす。

【結論】 æ—¥æœ¬é…’の酵母は、毎幎、玔粋培逊された株からスタヌトするこずが䞀般的であり、
「自然に発生した去幎の酵母」を䜿うこずはほがありたせん。

2. ワむンボゞョレヌの堎合倩然酵母が倚い

ワむン造り、特に自然掟ワむンやボゞョレヌ・ヌヌノォヌのようにブドりの皮に付いおいる倩然の酵母
野生酵母を䜿っお発酵させる堎合が倚くありたす。

  • ブドりの皮に付着しおいる酵母は、その幎の気候や生育環境によっお
    皮類や勢いが倉わるため、**「今幎のボゞョレヌは去幎ず違う」**ずいう颚味の違いの䞀因ずなりたす。
  • 日本酒も生酛きもず系の酒母造りでは、空気䞭の倩然の乳酞菌の力を借りたすが、
    アルコヌル発酵を担う枅酒酵母は、基本的には遞抜されたものを䜿いたす。

🌟 日本酒の「今幎の味は去幎ず違う」の原因

日本酒が毎幎、埮劙に味が倉わる䞻な原因は、酵母ではなく**「米」「氎」「造りの技」**の䞉芁玠にありたす。

原因圱響
原料米酒米の䜜柄米は蟲産物であるため、毎幎の倩候日照時間、気枩、雚量によっお、米のデンプン質やタンパク質の成分がわずかに倉動したす。これが発酵の進み方に圱響し、酒の味を巊右したす。
仕蟌み氎の枩床仕蟌みを始める日の氎の枩床は、もろみの初期発酵の進み方に圱響したす。
杜氏・蔵人の刀断蔵人は、その幎の米の状態や発酵の進み具合に合わせお、枩床管理や櫂入れかいいれの匷さを埮劙に倉えたす。この職人技の埮調敎が、酒の個性を生み出したす。

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